日本国債ファンドに投資すべきでない理由

安定した運用先として国内債券ファンドを保有している方は少なくないと思います。しかしながら、昨今の金融情勢を踏まええ日本国債ファンド(国内債券ファンド)に投資を行うべきではない理由を説明していこうと思います。

理由①日本国債の低すぎる利回り

投資信託(ファンド)の保有している債券のリターンは、ファンドの月次運用レポートをみれば確認することができます。

月次レポート(月報)を見ていると上記のような記載があると思います。ここで注目すべきは、「最終利回り」です。

最終利回りとは
債券の購入から満期まで保有した際の利回りのこと。
{年利率+(償還価格-買付価格)÷残存年数}÷買付価格×100
で求められる。

例を出すと、

各ファンドの月報から抜粋

となっています。1年間債券を保有したリターンが約0.1%というのはあまりにも低すぎると思いませんか?このような資産に資金を投入するのは大きな機会損失であると言わざるを得ません。

理由②日本国債ファンドの手数料

上記ファンドの信託報酬を以下に載せます。

各ファンド目論見書より抜粋

上記の手数料をご覧いただいてピンときた方もいるかもしれません。

そう、信託報酬が最終利回りを上回っているのです。つまり、ファンドが保有している債券を満期まで保有すると必ず資産が目減りしてしまうのです。いうなれば、マイナス利回りが約束されている金融商品になります。下記は最終利回りから信託報酬率を控除した数値になります。

正直言って、債券の利回りがマイナスになるというのは信じられませんがこれが日本国債ファンドの現実です。

理由③日本の金融政策

アベノミクスが始まってからの日本の金融政策は質的量的金融緩和と呼ばれます。簡潔に説明すると、マイナス金利政策と量的緩和政策を組み合わせた金融緩和のことです。金融緩和に関する細かい解説は別記事で行います。

つまるところこの金融政策の目的は、金利を低位に誘導して投資活動を活発化させ景気をを上向けさせることを目指しています。

上記政策の問題点①国債利回りの低下

量的緩和政策はその名の通り、市場から国債を日本銀行が買い上げ市場に現金を供給する政策となります(かなり説明を省いています)。これによって、金余り状態となった金融機関が企業への貸付などを通して経済を活発化させることが本来の目的です。しかしながらこれによって債券の価格は上がり続けてしまい債券の利回りはどんどん低下していってしまいました。(債券価格が上昇すると債券の利回りは下落する)

日本債権の利回り低下の影響を受けて、2016年には日本円建てのMMF(マネー・マネジメント・ファンド)はすべて繰り上げ償還となってしまいました。

MMF(マネー・マネジメント・ファンド)とは
信用力が高く、残存期間の比較的短い公社債に投資をし安定した収益の確保を目指すファンドのこと。基本的どの証券会社でも購入可。元本割れのリスクがほとんどなく安定した利回りからキャッシュポジションの受け皿として利用されていた。

上記政策の問題点②日本銀行の信用問題と出口戦略

いまや日本銀行が保有する日本国債は全体の48%にも上ります(令和2年度9月速報から抜粋)。これの何が問題なのかといえば、日本銀行の掲げる「物価上昇率2%」の目標を達成したときまたは日本経済全体がインフレに傾いたとき引き締め政策が行えるのかという問題です。ただでさえ、日本債権の利回りは低位に張り付いてしまっています。この状況下で日本国債を48%も保有する日本銀行が引き締め政策のため国債の売りオペレーションを実行すればどうなるでしょう。最大の買い手であった日本銀行が売り手側に回れんば銀行も生保会社も日本国債を買おうとは思わなくなり、日本国債の利回りが急上昇する(債券価格は暴落)ことは容易に想像できます。

それだけではありません、債券価格が暴落すれば日本銀行のバランスシートに計上されている多くの国債が含み損の状態となります。これでは日本銀行の赤字化は免れません。日本銀行が赤字化すれば日本銀行の発行する日本円はその地位を失うことになるでしょう(為替市場での日本円の暴落、さらにこれがインフレを加速させる)。

上記はあくまで個人の見解です。

これ以上はこの記事の本筋とずれてしまうためまた別記事で取り上げます。

今は日本国債に投資するべきじゃない

上記で見てきた通り、日本国債ファンドは構造的に投資家に収益をもたらしてくれません。これらに投資妙味が生まれるのは、日本国債の利回りが上昇してからでしょう(債券価格は下落)。

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