高配当株は配当利回りで決めるな

高配当株とは

高配当株とは、配当利回りの高い株式のことを指します。個人的に配当利回りが3%超えてくると高配当株といえる水準です。例を挙げると、日本たばこ産業(配当利回り:6.75%)・ソフトバンク(配当利回り:5.97%)・三井住友FG(配当利回り:5.08%)・三菱商事(配当利回り:4.46%)などです(利回り表記は2月26日のもの)。

配当利回りの計算方法

知っている人も多いとは思いますが、配当利回りの計算式は

1株当たりの配当金額÷株価×100」であらわされる指標です。

したがって配当利回りを上げるアプローチは2つしかありません

配当金を増額する

株価が下落する

例を出して説明しましょう。まずは配当金が増額され配当利回りが上がった場合です。

あるA株式会社は年間1株当たり120円の配当金を出しています。株価は3000円です。この場合の配当利回りは4.00%です。1年後配当金の増額が決定し120円から150円になりました。株価は変わらず3000円です。この場合配当利回りは、5.00%となります。このように株価に変化がなく配当金が増額されれば配当利回りは上昇します。

次に株価が下落して配当利回りが上がった場合です。

あるB株式会社は年間1株当たり120円の配当金を出しています。株価は3000円です。この場合配当利回りは4.00%となります。1年後A株式会社の株価は下落し2500円となりました。この場合の配当利回りは4.80%となります。このように株価が下落することによっても配当利回りは上昇します。裏を返せば、配当利回りが高い銘柄というのはそこまで売られてきた不人気銘柄ととらえることもできます。

逆に配当利回りを下げるアプローチも2つしかありません

配当金を減額する

株価が上昇する

こちらも例を出して説明します。まずは、配当金が減額され配当利回りが下がった場合です。

あるC株式会社は年間120円の配当を出していました。株価は3000円です。この場合の配当利回りは4.00%です。しかし、今期業績の悪化から配当を100円に減額されることが決定しました。株価は変わらず3000円です(通常配当減額は株価の大幅下落につながるが、ここでは比較のため株価は変わらないものとする)。この場合配当利回りは3.33%です。このように配当が減額され、その他の条件が変わらずであれば配当利回りは下落します。

次に株価が上昇して配当利回りが下がった場合です。

あるD株式会社は年間120円の配当を出しています。株価は3000円です。1年後株価は上昇し、1株=4000円となりました。配当金は変わらずです。この場合配当利回りは3.00%です。このように株価が上昇することでも配当利回りは下落します。

結局投資家が最も儲かったのは

上記のA・B・C・D株式会社の中で最もリターンが高かったのはどの企業でしょうか?ここではインカムゲインである配当金とキャピタルゲインである値上がり益の両方の側面から優劣をつけていきます。

まずはA株式会社のリターンを考えてみます。

{150円(インカムゲイン)+0円(キャピタルゲイン)}÷3000円×100=5.00%
A株式会社のトータルリターンは上記の通り5.00%です。

次にB株式会社のリターンです。

{120円(インカムゲイン)+(-500円(キャピタルゲイン))}÷3000×100=-12.67%
B株式会社のトータルリターンは上記の通りマイナス12.67%です

次はC株式会社です

{100円(インカムゲイン)+0円(キャピタルゲイン)}÷3000×100=3.33%
C株式会社のトータルリターンは3.33%です。

最後はD株式会社です。

{120円(インカムゲイン)+1000円(キャピタルゲイン)}÷3000×100=37.33%
D株式会社のトータルリターンは37.33%となります。

このようにリターンはD株式会社が最も高い結果となりました。上記はあくまで一例なのでこの結果だから、どうこう言うつもりはありません。ただ、配当利回りが高いことが総リターンの高さに直結するわけではないことをここでは知っていただきたいです。

高配当株は結局リターンが良かったのか

株式投資は結局リターンがすべてです。大切なお金を投じているわけですからそれに見合ったリターンを求めるのは自然の感覚だと思います。ここでは代表的な高配当株のリターンを分析していきます。

日本たばこ産業(JT)

いわずと知れた高配当株の代表です。過去5年のトータルリターンを同期間のTOPIX・日経平均株価と比較します。2016年2月の始値4680円で100株買い、2021年2月始値2076円の時まで保有していたと仮定します。

上記は受取配当金と株価の推移をまとめたものです。過去5年でトータル-40.09%という結果になりました。同期間のTOPIXのリターンが+24.78%、日経平均株価が+56.19%であることを踏まえるとかなり劣後していることが分かります。

日本郵政

日本郵便、ゆうちょ銀行、かんぽ生命を子会社に持つ持株会社。こちらも高配当株として人気の銘柄の一つです。こちらも過去5年間のリターンを比較していきます。条件は2016年2月の始値で買い、2021年2月の始値まで保有したと仮定します。

上記は日本郵政の受取配当金と株価の推移のまとめです。過去5年で-32.66%という結果になりました。こちらも同期間のTOPIX・日経平均株価のパフォーマンスにアンダーパフォームしています。

三井住友FG

3大金融グループの一角です。こちらも大手金融株として、高配当株の人気銘柄となっています。以下過去5年の株価・配当金の推移です。

過去5年間でトータルリターンは+9.87%という結果になりました。こちらの銘柄は上記の2つと異なり、プラスという結果に終わりました。しかし、こちらもTOPIX・日経平均には劣後しています。

配当利回りは、割安度を見る指標である

配当利回りの高さは決してリターンの大きさを表しているものではなく、配当金に対してどれだけ株価が安くなっているかを表すものなのです。

配当利回りが高い=これまで売られてきた銘柄

ということです。個人的には、配当利回りがいいから投資をするというよりなぜここまで売られているのかということを考えて投資を行うべきだと考えています(悪材料や成長性など)。

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